歯の根っこの数は何故部位によって本数が違うのでしょうか?
投稿日:2017年11月6日
カテゴリ:未分類
トリートメントコーディネーターの仲村です。
冬が駆け足で近づいてくるこの頃
めっきり日脚も短くなって参りました。
皆さん、お口の中の調子はいかがでしょうか?
本日は、歯の根っこの数のお話です。
歯の根っこの数は何故部位によって本数が違うのでしょうか?
歯根の形成
何故歯によって歯の根っこと根管の数が違うのでしょうか?
そして、根管の太さ、長さ、形態も千差万別なのでしょうか?
すべての歯が同一であったなら、根管治療もさぞかし簡単に合理化ができ、歯の治療も短期間で完了することでしょう。
歯の根っこの形には、単根と複根があります。
それぞれについてお伝えしていきます。
①単根
内エナメル上皮細胞によって誘導され、未分化間葉細胞より分化して配列したものと考えられている象牙芽細胞が、象牙質を形成し始めると、内エナメル上皮は、互いに近接して密着するようになります。
このような部位を上皮鞘 Hertwig's epithelial、あるいは根鞘 root sheath と呼んでいます。
最初の接合部が将来のエナメル質、象牙境 enamel-dentin junktion となります。将来、歯冠部となる部位の内エナメル上皮はエナメル質を形成しますが、外エナメル上皮と癒着するとエナメル質形成が停止し、内側に増殖して、上皮隔膜 epi-helial diaphragm を形成します。
歯乳頭部、上皮鞘の内側の細胞増殖部に象牙芽細胞が出現して象牙質を形成するようになると、上皮鞘は歯小襄の結合組織によって分断されて、上皮遺残となります。
さらに、上皮鞘を分断した結合組合組織細胞が象牙質に近接して、セメント芽細胞 cementblasts に分化して、セメント質を形成するようになります。
象牙質の形成とセメント質の添加が進行するにしたがって、歯の形態が整っていくのです。
②複根
複根の発生は、基本的には単根と同じですが、上皮鞘が伸びて上皮隔膜を形成した後、歯根の数に応じて隔膜が突起を出して相互に癒着することによ歯の根っこの根管口部が形成されるとされています。
上顎の大臼歯では3つの隔膜部より突起が形成され、下顎の大臼歯では、2つ形成されているのが一般的ですが、例外もあります。中には歯の根っこが4つある場合もあります。
また、上顎と下顎とで、歯の根っこの数が違うのは、上顎は重力によって落ちてこないように3つになったと言われることもあるようですが、真実は不明です。
こういった例外に、歯内療法家はとても苦しまされているようです。
歯冠と歯の根っこの接合部が歯頸部の形成が終了した後も、さらに、歯の根っこは分離して、あるいは歯の根っこの内部で根管が1~2個、場合によっては3個も形成されます。
このようなことが起こらなければ、歯の治療は楽になり、歯の寿命ものびることでしょう。
歯の根っこ、および根管の形成過程では、癒着不全や脈管の通路の残存などが生じ、髄床底、根管壁、根尖孔部に種々な形態をあらわします。
臨床との関係性
歯の根っこの形成は、歯冠の形成と同じように、それぞれ個性があり、細部についてはまったく同じ形態を示すものではないといっても言い過ぎではありません。
しかし、東洋人、白人、黒人、インド人など、それなりに特色を有する人種があるように、乳歯は乳歯のような外観を示し、永久歯の前歯、小臼歯、大臼歯、そして上下顎、それぞれに特色ある外観をもっているので、各々の歯の鑑別は大体可能です。
われわれ日本人は、歯種で言うと前歯、あるいは小臼歯というところです。
すべての歯が単根で、しかも、真っ直ぐであったなら、いかに歯科医師にとって有難かったことであろうかは計り知れません。実際は軽い彎曲から強い彎曲まであり、根尖孔の開口位置、数、そして大きさも、また、歯の根っこの数と根管数の不一致や、異常形状の根管、髄床底に開孔する髄管、さらに、虫歯の進行や外傷による歯髄腔、根管の石灰化など、さまざまな歯髄と根、あるいは根管の異常は根管の処置に際して、臨床家を苦悩に陥らせています。
歯の側にとっては触られたくない極秘の場所なのかもしれません。
また、根管の形状にも種類があり、根管治療が難しい場合もあります。
側枝
歯の根っこの先で神経が二股に分かれているような形の神経のことです。
複根管
歯の根っこが4本や5本など、複数根ある神経のことです。
イスムス
根管と根管を繋ぐような形の狭小部のことです。扁平な歯の根っこや樋状根っこにこういった形の根管がみられます。その狭窄部は機械的清掃が 大変困難となり、歯の神経の壊死組織や細菌などが残存しやすいため、洗浄による化学的清掃が重要となります。
歯の根っこの治療は、大変重要なものだということが少しでもお伝え出来ましたでしょうか?
これを機会に是非歯科検診を受けてみて下さいね。
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